介護初心者が知っておきたい在宅介護サービスとは?
親の介護が必要になりそうだけれど、介護施設にはどんな種類があるのだろう?」
介護について考え始めると、多くの方が最初にこのような疑問を抱きます。
テレビや新聞などで「特養」や「デイサービス」といった言葉を耳にしたことはあっても、それぞれどのような施設なのか、何が違うのかを正しく理解している方は決して多くありません。
また、「介護施設」と聞くと老人ホームだけを思い浮かべる方もいますが、実際には日帰りで利用するサービスや、自宅へ介護スタッフが訪問するサービスなど、介護保険にはさまざまな支援があります。
介護が始まったからといって、すぐに施設へ入居するわけではありません。ご本人の身体状況や生活環境に合わせて、自宅で生活を続けながら利用できるサービスも数多くあります。
そこで当記事では、介護初心者の方へ向けて、まず知っておきたい代表的な介護施設・介護サービスについて分かりやすく解説します。
なお、今回は前編として、在宅生活を支える代表的な介護サービスをご紹介します。
介護施設・介護サービスにはどんな種類がある?
■ 主な介護サービス
- デイサービス(通所介護)
- デイケア(通所リハビリテーション)
- ショートステイ(短期入所生活介護)
- 訪問介護(ホームヘルプサービス)
■ 主な介護施設
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護医療院
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- グループホーム
介護施設には数多くの種類があり、それぞれ役割が異なります。
大きく分けると、自宅で生活しながら利用する「在宅サービス」と、施設で生活する「入居施設」があります。
「介護施設」と一括りにされることが多いものの、実際には日帰りで利用するサービスや、数日間だけ宿泊するサービス、長期間生活する施設など、その目的はさまざまです。
介護が始まったばかりの方の多くは、まず在宅サービスから利用を開始し、身体状況やご家族の介護負担に応じて、必要に応じて入居施設を検討する流れが一般的です。
まずは、それぞれのサービスがどのような役割を持っているのかを知ることが、介護への第一歩になります。

デイサービス(通所介護)
■ デイサービスの特徴
- 日帰りで施設へ通う
- 入浴や食事の提供がある
- レクリエーションや機能訓練を受けられる
- 家族の介護負担を軽減できる
デイサービスは、介護保険サービスの中でも最も利用者が多いサービスの一つです。
朝になると施設の送迎車が自宅まで迎えに来てくれ、施設で食事や入浴、体操、レクリエーションなどを楽しみ、夕方に自宅へ戻るという流れが一般的です。
高齢になると、自宅で過ごす時間が長くなり、人と接する機会が減ってしまうことがあります。
さらには、外出の機会が減ることで体力や気力が低下し、「家に閉じこもりがち」になってしまうケースも少なくありません。
デイサービスでは、同年代の他の利用者との交流あり、レクリエーションでは季節のイベント、趣味活動などが行われています。
このような活動が利用者の身体機能はもちろん、心の健康維持にも役立っています。
また、ご家族にとってもデイサービスの利用は大きな利点があります。
というのも、介護から少し離れて休息できる時間を確保できるからです。
食事や入浴といった具体的な介護負担の軽減以上に、重要で大切な役割も担っていると言ってよいでしょう。
実際に介護が始まった際、最初に利用を検討するサービスとしておすすめされることが多いのも、このデイサービスです。

デイケア(通所リハビリテーション)
■ デイケアの特徴
- リハビリを目的としている
- 医師の指示のもと利用する
- 理学療法士など専門職が在籍
- 在宅生活の継続を目指す
前項で紹介したデイサービスと混同されやすいのが、この「デイケア」です。
どちらも日帰りで施設へ通いますが、大きな違いは目的にあります。
デイサービスが日常生活の支援や交流を目的としているのに対し、デイケアは身体機能の回復や維持を目的としたリハビリ中心のサービスです。
例えば、脳梗塞や骨折などで入院した後、「以前のように歩けるようになりたい」「自宅での生活を続けたい」という方が利用するケースが多く見られます。
施設には理学療法士や作業療法士などの専門職が在籍しています。
そのため、利用者一人ひとりの身体状況に合わせたリハビリを受けられることが特徴です。
介護だけでなく、身体機能の改善を目指したい方には心強いサービスと言えるでしょう。
ショートステイ(短期入所生活介護)
■ ショートステイの特徴
- 数日から宿泊できる
- 家族が介護できない時に利用できる
- 介護者の休息にもつながる
- 将来の施設入居体験として利用する人も多い
ショートステイは、その名のとおり短期間だけ介護施設へ宿泊できるサービスです。
利用する理由はさまざまで、ご家族の旅行や出張、冠婚葬祭、病気など、一時的に介護が難しい場合によく利用されています。
また、介護を続けているご家族が心身ともに疲れてしまわないよう、休息を目的として利用する「レスパイトケア」としての役割もあります。
さらに、将来的に老人ホームなどへの入居を考えている方が、「施設での生活を体験してみたい」という目的で利用することもあります。
数日間実際に生活することで、ご本人もご家族も施設の雰囲気を知ることができ、将来の施設選びの参考にもなります。
ただし、あくまで短期の入居を想定しており、施設の作りも運営もそれに合わせたものになっています。
そのため「他の施設に空きがないため」という入居目的には向いていません。
入居期間は長くても、2週間程度と心得ましょう。

訪問介護(ホームヘルプサービス)
■ 訪問介護の特徴
- ヘルパーが自宅を訪問する
- 身体介護や生活援助を受けられる
- 自宅での生活を支える
- 利用者の自立を支援するサービス
訪問介護は、介護スタッフ(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、日常生活を支援するサービスです。
食事や排せつ、入浴などの身体介護だけでなく、掃除や洗濯、買い物などの生活援助も行います。
「できる限り住み慣れた自宅で暮らしたい」と考える高齢者は多く、そのような方々にとって訪問介護は欠かせないサービスとなっています。
なお、訪問介護は何でもお願いできるわけではありません。
介護保険は、利用者本人の生活を支援することが目的です。
そのため、家族の家事や庭の手入れなどはサービスの基本的に対象外であると考えましょう。
また訪問介護の内容についても、それぞれのケアプランで事前に決められています。
その日の気分で、変えてもらうことは出来ません。
つまり清掃のみのプランで訪問した介護スタッフに、お腹が空いているからと言って調理を頼むことは出来ないのです。
そのため、利用を検討する際は、ケアマネジャーと相談しながら必要な支援内容を決めていくことが大切です。
自分出来ることは自分で行い、利用者自身では難しい事柄を支援してもらいましょう。
前編のまとめ
■ 今回のポイント
- 介護施設にはさまざまな種類がある
- 在宅サービスを利用しながら生活を続ける方は多い
- デイサービスやショートステイは家族の負担軽減にも役立つ
- 訪問介護は住み慣れた自宅での生活を支える重要なサービス
- 介護は施設へ入居するだけが選択肢ではない
介護が必要になったからといって、すぐに老人ホームへ入居するわけではありません。
まずはデイサービスや訪問介護などの在宅サービスを利用しながら、住み慣れた自宅で生活を続ける方が数多くいらっしゃいます。
大切なのは、「どの施設が一番良いか」ではなく、ご本人の希望や身体状況、また生活環境やご家族の介護力に合ったサービスを選ぶことです。

また、介護サービスを利用すると、病院への通院や施設への送迎、ショートステイの入退所など、移動が必要になる場面が増えてきます。
歩行に不安がある方や車いすをご利用の方は、一般のタクシーでは対応が難しいこともあります。
そのような場合は、介護タクシーを利用することで、安全かつ安心して移動できます。
介護サービス利用とあわせて、介護タクシーの利用も検討するとよいでしょう。
この記事で、介護サービスの理解が深まったなら幸いです。
なお、次回の後編では、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、有料老人ホームなど、長期入居を目的とした施設について、公的・民間の違いや費用の目安も含めて詳しく解説します。
最後までお読みいただきありがとうございました。




