介護タクシーの運転手₋乗務員のことを知って安心利用

介護タクシーの運転手

皆さんは介護タクシーを利用する際、運転手のことを気にかけていますか?

多分「接しやすい人」「愛想の良い人」という印象や、反対に「無口な人」「事務的な人」といった印象を持つ方もいると思います。

もちろん、運転手にも性格や相性がありますので、受け取られる印象は違います。

ですが、介護タクシーの運転手をしている限り、一定の資格を保有しています。

資格とは、一定以上の技術を習得している証です。

今回は運転手がどのような資格を取得し、送迎の為の技術を身に着けているのかを紹介します。

送迎の際は、安心してご乗車ください。

介護タクシー運転手が持っている必須資格

介護タクシーはほとんどの事業者が、車1台・運転手1台で運営しています。

よって介護タクシー運転手は、送迎に関わること…「運送」と「介助」は自分一人でできなければなりません。

当然、そのための資格が必要となります。

それが下記の2つです。

  1. 第二種自動車運転免許
  2. 介護系資格

1.第二種自動車運転免許

第二種自動車運転免許は、単に「二種免許」とも呼ばれ、運賃をもらって旅客を運送するために必須の資格です。

これはタクシーでも、運転代行でも同様。

つまり二種免許を取得していれば、お客さんを乗せて運送する技術を習得していることになります。

なぜなら、免許取得時の試験内容には「路上法規走行」が含まれており、厳しい審査があります。

運転姿勢や安全確認などの基本項目から、乗客を意識した運転スムーズな操作など二種免許ならではの項目をチェックされます。

特に危険予測安全確認は大きな比重を占めています。

二種免許は厳しい審査

「発車時には実際に後部座席を見て安全を確認しているか?」

「黄色信号で交差点に進入しようとしていないか?」

「一時停止して、横断しようとする歩行者に道を譲っているか?」

…などなど、多くの項目をクリアすることが求められます。

自称「運転上手」では、二種免許は取得できないのです。

2.介護系資格

介護系の資格は以下の2つのパターンで必要となります。

  • セダン型…福祉車両以外の乗用車で福祉タクシーを行う場合
  • 介護保険タクシーの場合

逆に言えば、「福祉車両を用いた福祉タクシー」として利用者を送迎する場合には、介護系の資格は必要ありません。

福祉車両には、車イスやストレッチャーを乗車させる設備が整っているため、乗降のための介護スキルを必要としないからですね。

つまり乗降設備のないセダン型では、乗降の難易度が跳ね上がるので介護系のスキルは必須とされているわけです。

ただし乗降設備のある福祉車両を用いていても、介護系の資格は取得するよう努力目標が課されています。

実際に多くの利用者が介護サービスを求めています。

そのため運営する事業者は、有資格者を優先して採用しますし、運転手も資格取得への意欲が高く、有資格者も多いのが現状です。

また、介護「保険」タクシーで運用するには、介護系の資格は必須です。

介護保険を適用し、利用者への介助が前提になっているためですね。

介護保険適用

運転手が持っている主な介護系の資格

次に、運転手がどのような介護系の資格を持っているのでしょうか?

主な資格は以下の3つです。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護福祉士
  3. サービス介助士

1.介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は介護資格の中でも、基礎知識と技術が習得できる有用な資格です。

この資格を持っているだけで、介護業界への転職が色々と有利になります。

介護業界では入門的な位置づけですが、資格取得には10万円程度の費用と130時間の受講が必要で、にわかで取得できるようなものではありません。

もちろん実技も必修で、一通りの身体介助が身につきます。

介護タクシーに求めらる介護技術は、初任者研修で網羅されています。

そのため初任者研修の有資格者であれば、利用者は安心して乗車できるでしょう。

2.介護福祉士

介護福祉士は、数ある介護系資格の中で唯一の国家資格です。

介護施設や訪問介護事務所に所属し、身体が不自由な方の身辺介護から、健康管理・生活支援まで行うことが仕事になります。

また利用者本人だけでなく、家族からの相談を受けたり指導を行なったりもします。

さらには介護職員初任者研修などの上級資格に当たり、現場を取り仕切るのリーダーとしての役割もあります。

介護職のプロ中のプロともいえるでしょう。

そのような介護福祉士の独立先として、介護タクシーが選ばれる場合もあります。

丁寧な接遇と質の高い介助が期待できるでしょう。

介護福祉士

3.サービス介助士

福祉タクシーの運転手の努力目標とされているのが、この「サービス介助士」です。

ケアフィッター」とも呼ばれ、一人ひとりの加齢や障害による身体状態を考慮して、臨機応変にケアを行います

講習は配慮が必要な利用者への理解を深めるための座学と、実際の対応を学ぶための実技から構成されており、業務しながら取得できるよう考慮されています。

介護タクシーや福祉タクシーだけでなく、実際に多くの交通関係従事者が取得しています。

※救急救命士

介護タクシー・民間救急の中には、介護系資格の他に救急救命士の資格を持った運転手もいます。

救急救命士は介護系の資格ではなく、医療系の資格で直接の関係はありません。

しかし、介護タクシーを営む救急救命士のほとんどは前職が救急隊員です。

そのため体調が優れない者、身体が不自由な方を搬送するのを多く経験してきています。

「搬送」で、右に出るものはいないでしょう。

また医療人であることから、万が一に備えての対処も方法も熟知しています。

安心・安全を求めるなら、最も適任な運転手といえるのではないでしょうか。

元救急救命士

まとめ~運転手は運転・介護のプロ

結論的にいうと、介護タクシーの運転手は「運転」と「介護」プロフェッショナルです。

運転は「第二種自動車運転免許」で保障され、介護はそれぞれの資格によって保障されています。

介護系資格は、入門から上位資格まで幅があるものの、介護タクシーに必要な乗降介助はどの資格でも習得されています。

そのため利用者の皆様にあっては、安心して介護タクシーや福祉タクシーにご乗車ください。

我々事業者・運転手も皆様を精一杯送迎させていただきます。

この記事が、介護タクシー・福祉タクシー利用の一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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