カイタクネット「事業者インタビュー」では、利用者様へ向けて、各事業者の特色や考え方を紹介しております。
今回はその第2回目。
大阪府豊中市を中心に活動し、女性で介護福祉士の資格を持つ「介護タクシーエマ」さんを紹介します。
「介護タクシーエマ」の運営体制
こんにちは~
早速ですが、自己紹介をお願いします。
こんにちは!
大阪市豊中市で介護タクシー事業をしている「介護タクシーエマ」と申します。
「介護タクシーエマ」は開業して2年目の若い事業所で、私1人車両1台で利用者の皆さんを送迎しています。
営業時間は9時から17時です。
ですが、利用者さんの都合により、時間は若干の融通させてもらっています。
定休日は土日と祝日。
決済手段は現金でお願いしています。
介護タクシー起業の動機「楽しく過ごしていけるように」
おお、2年目なんですね。
介護タクシーを始められたきっかけって何ですか?
はい。
介護タクシーを始める前、私は介護事務所に所属して、5年ほど訪問介護士をしていました。
国家資格である介護福祉士の資格も持っているんですよ。
ただ、若くして介護業界に入ったので「何かを自分で成し遂げたいなぁ」という思いがずっとあって…
そんななか、訪問介護の利用者の方は「外出を諦めている人がすごく多いなぁ」って気付いたんです。
なるほど、なるほど…
利用者さんが外出を諦めている理由は、身体的なものでしょうか?
その理由は人それぞれでした。
ただ「気分的に億劫だ。めんどう。」という方もいれば、
「私なんかは車イスで移動するし、(外に出たら周りの人たちに)邪魔やろ!」みたいな方もいて…
そういうマイナス発言をされる利用者さんも結構いました。
でも、私は「それって凄いもったいない!」ってずっと思ってて…
…私って楽しいこと大好きなんですよ。
で、私が介護タクシーを始めたら、私を通して利用者さんが社会との繋がりを持てるようになって、ずっと楽しく過ごして行けるんじゃないかな、って思ったんです。
素晴らしいですね!!
やっぱり、介護タクシーは人の為になるお仕事ですよね!!
そうですよね!
実際やってみたら、外出して楽しく過ごしていける利用者さんが本当に多いです!!
そういう社会を作りたくて、介護タクシーを始めたんです。
エマさんのホームページにも、そう書かれていますね。
そうです、そうです。
私の想いとか…
介護タクシーを使ったら、もっと楽に…もっと楽しくなりますよ、ってことを伝えたくて!
ホームページの作り方は知らなかったんですけど、頑張って自分で作りました。
作るのは昔から好きなので、チラシとかも自分で作ってます(笑)
送迎車両は「日産クリッパー」
エマさんの送迎車両を教えてください。
車は軽自動車の日産クリッパーを使用しています。
大阪の豊中市にある介護福祉車両を多く取り扱っている車屋さんから、中古で購入しました。
なぜ、この「クリッパー」を選ばれたんですか?
活動拠点の豊中市に車屋さんがあったので、実物を見て買うことが出来たのが大きいですね。
新車みたいに外観も内装も綺麗で、走行距離も少なくて…
それと後部座席部分に補助シートが付いていたのも決め手になりました。
ああ~なるほど。
軽自動車の福祉車両では、補助シートがないタイプも多いですよね。
はい。
補助シートが付いていると、車イスの隣に同乗者1名が乗ることが出来るじゃないですか。
私は通院だけでなく、買い物などの外出の「付き添い」にも力を入れたかったので。
ご夫婦二人の外出時には、近くに座っていたいだろうなと思って…
車屋さんには2度ほど足を運びましたが…ほとんど即決みたいな感じでした。(笑)
ストレッチャーやリクライニング車椅子にも対応していますか?
軽自動車なのでストレッチャーは無理ですね。
ですが、リクライニング車椅子の方は乗車可能です。
ただし、背もたれの角度に制限があるのでご了承ください。
車両の使用感はいかがですか?
そうですね…良いところと悪いところがあって…
まず、悪い方ですが…クリッパーって良くも悪くも業務用で荷物運送の為の車というか…
室内空間が広いためか、エアコンの効きが悪く、夏は暑いし冬は寒いんですよね。
クッション性に関しても、揺れが気になります。
車イスの方がすごく揺れてしまうことがあって…
そういう道ではスピードを落としたり、「揺れますよ」と声掛けをするようにしていますね。
反対に、良いところは何ですか?
小回りが効くところが良いですね。
やっぱり、細い道の先にご自宅がある利用者さんもいるので…
小回りが効くのは助かっています。
そのお陰か今のところ、車を擦ったりはしていません。
「付き添い」が必要な方は、介護タクシーエマに依頼を!
エマさんでは、多い時どのくらいの件数を送迎されていますか?
多い時は1日8件くらい送迎していますね。
極々まれな件数ですケド・・・
8件も送迎すれば、くたくたじゃないですか!?
ええ、ホント…やりきった―――!!!
ってなりますね。
それだけ多いと、特に帰りの時間が重なってしまうこととかありませんか?
そうですね…ありがたいことに、今までドンピシャで重なったことはありません。
ただ、私は「通院介助」や「院内介助」、それに「買い物介助」などのような「付き添い」に力を入れています。
そこで、一度失敗しそうになりまして…
いつも2~3時間ほど病院にかかっている利用者さんの合間に、1時間のお買い物付き添いの予約が入ったのですが…
病院の方の利用者さんが、30分ほどで終わっちゃったみたいで…
ああ~~
その時は、急いで他の事業者さんにヘルプを頼んで、ちゃんと利用者さんにも説明して…送迎してもらいました。
それ一回のみですが、焦りましたね。
重なりそうになったのは、エマさんの「付き添い」サービス利用者が多い証拠ですね。
むしろ2年で1回のみというのは、上手くスケジュール管理されていると思います。
さらには、ヘルプを頼める同業者もいて、介護タクシーの利用者さんを地域全体でうまく支え合っているのが伝わってきます。
付き添い料と介助料について
ではその「付き添い」サービスの料金はどうなっていますか?
はい。「付き添い料」は30分毎に1500円いただいております。
その他に「運賃」と「介助料金」がかかります。
ちなみにホームページでは「介助料500円~」となっていますが、詳しく教えてください。
そうですね…
「ご自分で車イスに乗られていて、後は車に乗るだけ」とか、「歩ける方が乗り降りするだけ」…といった場合は500円です。
介護タクシーですので、介助料をもらわないわけにはいきませんから…
他には「歩ける方でも、不安があって手を添えて歩行介助する」といった場合が1000円。
「ベッドからの移乗あり」となると1500円いただいています。
さらに「すごい段差がある」などといった場合は、プラス料金がかかることもあります。
逆に「麻痺があって、1人での車イス移動が難しい…」といった方に関しては、まけさせていただくこともあります。
その時々によって、介助の負担はすごく違いますから、料金が違うのは当然ですね。
むしろ後遺症がある方への配慮もあり、素晴らしいと思います。
訪問介護士としての知識と経験が力に!
とはいえ、介助には力が必要なこともあると思います。
エマさんは女性一人で介助業務も行っていますが、難しいこととかってありましたか?
私は力的には弱い方だと思います。
ですが、私の場合は前職がヘルパーで、身体介助もたくさん行っていました。
ベッドからの移乗など、身体介助のコツはそこで覚えましたね。
コツさえわかってしまえば、私のように力が弱くても介助は可能です。
そういう知識と経験が自分のプラスになっているのだと思います。
なるほど~、コツですか。
そういう介護の技術が自分のみならず、利用者さんも助けているんですね。
言われてみれば、介護職は女性が多いですもんね。
では、その「丁寧な付き添いサービス」や「確かな介助技術」で送迎の依頼も増えているのでは?
はい…件数もそうですけど、リピートしてくれる利用者さんが多くいます。
ご縁があって1回利用してくれたお客様は、ほとんどがずっとリピートしてくださいます。
リピート率がスゴイ・・・
それだけサービスが気に入られているんですね。
そうだと、すごく嬉しいです。(笑)
リピートしてもらえると、嬉しいですよね。
回数を重ねるごとに、利用者さんと絆が深まって…
いろんな話が出来たりしますもんね。
そうそうそう!
もともと訪問介護で同じ利用者さんばかりに行っていたので、それが無くなって寂しく感じることもありました。
その反面、介護タクシーはいろんな利用者さんと出会えるんですけど…
そこでリピートしてくれると、訪問介護士の血が騒いでしまって、テンション上がりますね。
やっぱり同じ人と会えるのも嬉しいです!!
実際、どうでしょう?
前職を辞めて2年…いえ、介護タクシーを始めて2年。
開業して良かったなって思いますか?
ええ!介護タクシーを始めて良かったなって思います!!
介護タクシーは自分の色で!
では最後に、エマさんの介護タクシーへの想いを聴かせてください。
想いですか…えっと…
介護タクシーって運営する人によって、色々あると思います。
私は「自分がこういう介護タクシーにしたい!」っていうイメージを凄い大切にして…
介護タクシーエマを自分の色に染めてきました。
「これが正解」っていう答えは…ないと思うんです。
利用者さんはそれぞれの事情で、色々な要望があって…
介護タクシーは、保険外なら色々なサービスを提供できます。
なので私は、色んな介護タクシーがある中から、利用者さんが自分にピッタリの介護タクシーを選ぶことができる世界になればいいなって思います!!
もし私のように開業してくれる人がいるなら、介護タクシーを自分の色で染めてほしいと思います。
すばらしい!!!(感動)
「自分の色で」ですね!!
はい!自分の色で!!!
・・・感動が収まりませんが、これで終わりとなりました。
本日は「介護タクシーエマ」さんにお越しいただきました。
ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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介護タクシーエマさんは、丁寧な「付き添いサービス」と確かな「介助技術」で、利用者から多くの指示を得ています。
そしてなにより「利用者の方に外出を楽しんでいただきたい。」
そのためにも「様々な特色のある介護タクシーがあって欲しい。」
…という思いが伝わってきたインタビューでした。
なお、介護タクシーエマの公式ホームページおよびインスタグラムは、下記リンクからご覧ください。